【大野農園よもやまバナシ】第21話「大野農園流・草刈りのツボ」

大野農園スタッフのチコです!
いよいよ新年度。わくわく、ソワソワ、ドキドキの季節がやってまいりました。
変化が苦手な慎重派のわたくしとしては、上の3つの気持ちの中では、ドキドキに近いかなと…皆さまはいかがでしょうか?

さて!
毎週水曜日更新の「大野農園よもやまバナシ」。今回は、少しずつ勢いを増している雑草のこと、「大野農園流・草刈りのツボ」というお話です。
……

前回のよもやまバナシでは、春の彩り豊かな農園内のお写真を様々ご紹介しました。
しかし、場所によっては花盛りですが、農園全体を見渡すと、冬の枯れ草と雑草がまだら模様になっていて、緑豊かと表現するにはあと少し、と言った風景です。
そんな、雑草の勢いがそれほどでもない時季ではありますが、これまでの経験上、このタイミングで草刈りをはじめておくと、後々の作業がスムーズになるとわかっているので、少しずつできる場所からはじめています。
草刈り・草取りには、鎌や鋤(すき)、鋏(はさみ)、手で抜くなど、様々な方法を試してきましたが、今は、一昨年前から使い始めたこの「BLACK + DECKER」の電動草刈機が大活躍しています。
ガソリン式はパワフルですが、重くて私には使いこなせないので、多少パワーが落ちても、この電動式の軽さと小回り具合がちょうど良く、刃も、金属ではなくナイロンコードなので、掃除機をかけるような感覚で、安全・手軽に草刈りができます。
ちなみに、もともと家庭用なのを農作業で使うのはやっぱりハードすぎるようで、早くもこれは2代目です…。

さて、ここで、タイトルにした「草刈りのツボ」ですが…。
以前、ある本の中で「雑草を生えなくするには、雑草を生やしておく」という、禅問答のような文言を見かけたことがあるのですが、まさしくその通りで、それは「生やしておいてもよい雑草を残す」ということです。
そして、それ以外の雑草も根っこから引き抜かず、地上5センチくらいを残して刈るようにします。

生やしておいてもよい雑草というのは、背が高くならないものや、地をはうタイプの雑草です。
今の時季で言えば、ヒメオドリコソウ、ホトケノザ、ヘビイチゴ、スズメノカタビラなど。これらはたいてい、放っておいても邪魔にならず、むしろ彩になって素敵なので、基本的に草刈りしません。
ヒメオドリコソウは、ご覧の通り、紫のじゅうたんに!

逆に、背が高くなったり、ボリュームが出るので刈った方がよいのは、カラスノエンドウ、ハルシオン、ノゲシ、ノボロギク、ナズナ、ナガミヒナゲシ、アメリカフウロなど。これらは、高さ5センチ以下になるように刈ります。これも大事なポイント。繰り返し刈っていると雑草が芝生のようになり、具合が良いのです。
抜いてしまわないのは、雑草を抜いても、結局は、土中にストックされている種から、次々と新しい雑草が生えてくるから。いっそ、邪魔にならない高さで、見栄え良く生やしておくというのが、一番の雑草対策になるのです。土ぼこりが舞うのも防げますしね。

ここで、ちょっぴり自慢です…!
この、残す・残さないを判断できるのは、雑草好きを公言するわたくしが、長らく観察・研究をしてきた成果なのであります。ふふふ…。
そして、そうやってツボをおさえつつ草刈りをしていると、年によって雑草の植生が移り変わるのを知ったり、新しい雑草を発見したり。
「大野農園あるある」の、鳥が運んできた目新しい植物に出会うこともあって、一見単純な作業ではありますが、私にとっては、心踊るとても楽しい仕事です。剪定と並ぶくらい、好きかもしれません。

本来、都市農業では、雑草を生やすことはご法度のようですが、今のところお咎めがないので…このスタイルをできる限り続けていきたいと思っています。
美味しい果物が採れるだけではなく、眺めていると癒される、そんな素敵な景色を作りたいのです。
ただし、夏場の雑草の勢いは、未だ解決していない大きな課題。お見苦しくならないよう、汗をかきかき、試行錯誤しているところです。
おまけの写真…kamekitiが、剪定した栗の枝で、かまくらを作りました。大人一人がすっぽり入れる、なかなか良い秘密基地。

「よもやまバナシ」、この度もお読みくださいまして、誠にありがとうございました!

大野農園(olioli農園)

東京都三鷹市にある果樹園です。 主にキウィ、栗、ブドウなどを栽培しています。

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