【大野農園よもやまバナシ】第22話「いよいよ!キウィの繁忙期」

大野農園スタッフのチコです!

毎週水曜日更新のコラム「大野農園よもやまバナシ」。
ここ最近はテーマを設けず、農園内の近況をお写真と共にお伝えしてきましたが、今週は、繁忙期を迎えた農作業の様子を「いよいよ!キウィの繁忙期」と題して、お送りいたします。

と、その前に…
5/26日曜日より、今季の梅の販売がはじまります。この直ぐ後、予定をアップいたしますので、併せてご確認いただければと思います!

……

大野農園を代表する果樹、キウィフルーツ。いよいよ、お手入れに忙しい時季がやってまいりました。4月下旬に芽生えた新芽は、すくすく伸びて、5月中旬、花咲く季節を迎えました。
キウィの木は一週間かけて、次々と花を咲かせます。
その花は、キウィの地味な外見(失礼)とは違って、とっても華やか!原種のバラを思わせるようなたたずまいと、しっかりと濃く、甘い香り。
ミツバチやアブ、ハエの仲間、ハナムグリにカナブン…様々な虫たちがやってきて、大賑わいです。

さて!
後述の授粉作業に先立って、まずは枝を留める作業を行います。
空に向かって長く伸びた枝は、この時季に時々吹く強い風にあおられて折れてしまうので、この器具を使って、枝を固定します。花芽をつけた枝の先をゆるく曲げつつ…パチンと。
こんな具合です。テープは光触媒で、時間が経つと劣化して自然に還ります。
この作業、うっかり無理をして曲げたりすると、根元からポキンと折ってしまうので、なかなかに神経を使う作業です。ポキンと折ってしまった時の絶望感たるや…がっくり…。

こうして枝どめをしながら、キウィの栽培の中でも重要な作業のひとつ、人工授粉を行います。
キウィは雌雄異株なので、雌の木と雄の木は別々です。
その昔は、農園内に両方の木があって、手で、木から木へと受粉させていたと思われますが、現在は手法が変わり、農園内は、ほぼ雌の木のみを残して(雄の木も少しは残っていますが)ニュージーランドから取り寄せた花粉を、器具を使って受粉させています。
ちなみに、三鷹市内のキウィ農家さんは、ほぼ全てこの手法なのだそうです。
農協さんを通してニュージーランドから取り寄せている花粉。高価なのです…。
この大切な花粉を、石松子と呼ばれるヒカゲノカズラの花粉と、受粉済みの確認のための食紅を混ぜ、カサ増しをして使います。
ヒカゲノカズラの花粉とキウィの花粉は、大きさがほぼ同じなので、混ざりやすく、カサ増しにもってこいなのだそうです。
こうして作った花粉を…
この器具で…
シュシュっと!
紅く色付けば花粉付け完了。
数日かけて次々と花が咲くので、こうして着色することで、重ねて付けるのを防ぎます。
授粉作業、一日分が終わる頃には、食紅で顔から首にかけて紅く染まるので、作業後のシャワーが欠かせません…。

花が咲く前に、良いつぼみだけを残して他を落とし、授粉をする農家さんもありますが、実は今年の大野農園…どうやら、例年に比べて不作の可能性があるので、様子を見ながら、花を残すようにしています。
不作の原因は、昨年秋の台風の影響かもしれませんし、もともと、超高齢で頑張ってきたキウィの木なので、病気がちということもあるかもしれません。
まだ、何とも判断しかねますが…。

ということで、ただ今、枝どめと授粉作業のため、家族とスタッフ総出で、作業に取り掛かっております。
そうこうしているうちに、ブドウの方も大切な作業がはじまり、草刈りも待ったなし…と、忙しくなってまいりました!

今度の日曜日には、久しぶりの日曜販売もあります。わたくしもkamekitiも、皆さまにお会いできるのを楽しみに、体調整えて、お仕事頑張りたいと思います。

「大野農園よもやまバナシ」、この度もお読みくださいまして、誠にありがとうございました!

大野農園(olioli農園)

東京都三鷹市にある果樹園です。 主にキウィ、栗、ブドウなどを栽培しています。

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