【大野農園よもやまバナシ】第11話「灰のお話」

大野農園スタッフのチコです。
先日の日曜日も、ご来店ありがとうございました。少し寒さが和らいだこの日、たくさんのお客さまにお越しいただき、おかげさまで、久しぶりに完売いたしました。
風邪が大流行の時季ですし、キウィのビタミンCで、美味しく風邪予防してくださいね!

さて、毎週水曜日更新の『大野農園よもやまバナシ』。
今回は、そんな美味しいキウィに欠かせない「灰」のこと、「はーい!灰、これがなくっちゃ!」のお話です。

……

ホームページのメニュー「うちの果物」でもお伝えしていますが、大野農園で使う肥料は「灰」のみです。秋から冬にかけて農園内で集めた枝葉を燃やして作っています。
灰の一番の効果は、果物が甘くなること。社長も先代から「欠かさず灰をまくように!」と、何度も言われていたそうです。
おかげで味の良い果物がとれるわけですが、収穫の「量」はと言うと、灰以外の大した肥料分がないのに、毎年多くの実をつけているのは謎でして…。冬季の剪定の効果はあると思いますが、それにしても多いなぁと、不思議です。
果樹をはじめた頃から肥料を与えてこなかったので、少ない栄養分に適応しているのかもしれません。キウィに関しては、除草剤をまかないままの下草や、落ち葉が枯れて土に還り、肥料分になっているのかも、と思いますが、やっぱりわかりません…。
さてさて、そんな大野農園のキモとなっている灰の作り方ですが、落ち葉や剪定した枝を集め、毎週日曜日の早朝、社長自らが燃やして作っています。
明け方、暗いうちから火を焚きますが、暗やみに、ぼぅっと光るオレンジ色の火は美しく、寒い冬の朝、こわばった体を温めてくれます。
燃え終わりには、赤々と、ちょうど良い「熾火(おきび)」になるので、それでさつまいもを焼くと、それはそれは美味しい焼き芋になるのです。

…などと、のんきなことばかり言ってはいられません!
過去には、火事と間違われて、消防署や警察署が来たこともあるので、毎週、事前の連絡は欠かせません。それでも冬季に一回は、通報によりご足労いただいていますが…。
そして、近隣の皆さまのお宅に煙が漂ったり、細かな灰が舞ったりと、ご迷惑をおかけすることもしばしば…。
このように、心苦しく思うことがあるのも実情です。この場を借りて、深くお詫びを申し上げます…。
重ねて、こうした方法で長きにわたり、果樹園を営んできましたので、何卒なにとぞ、ご理解いただけるとありがたく思います。
お洗濯事情なども考慮し、朝早めに終わらせるなど、できる限り配慮しております。

なぜ、灰が果物を甘くするのか。
先代は、経験でわかっていたようですが、研究者の顔を持つ社長の分析によると…
糖(果糖も含む)は、C(炭素)とH(水素)とO(酸素)の成分で構成されており、その中のCを、葉がCO2(二酸化炭素)で取り入れるだけではなく、灰として根っこから効率良く吸収することで、糖分を増やすのではないかと…。この説明で合っていますか?たぶんそうなのでは、と。

先代は、集めた枝葉だけでなく、当時栽培していた小麦のわらも燃やして、たくさんの灰を作っていたそうです。
それほど大切な、灰。と言うことで、大野農園にとって、「これがなくっちゃ!」なのです。

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